「バックアップさえ取っておけば、ランサムウェアは怖くない」── 10年前なら正しかった。今は違う。

旧ランサム: 暗号化だけ

2015年〜2020年頃までのランサムウェアは、シンプルだった:

  1. 会社のサーバーに侵入
  2. 全ファイルを暗号化
  3. 「元に戻したければ身代金を払え」

この時代なら、バックアップさえあれば身代金を払わずに復旧できた。実際、多くの企業がこの戦略で乗り切っていた。

現代ランサム: 二重脅迫

2020年頃から、攻撃手法が変わった。二重脅迫(Double Extortion) が主流になった:

  1. 会社のサーバーに侵入
  2. 先にデータを窃取する(ダウンロードして持ち去る)
  3. その後で全ファイルを暗号化
  4. 「身代金を払わなければ:(a) 暗号化を解かない (b) 盗んだデータをダークウェブで公開する」

(b) の脅しが、バックアップ戦略を無効化する。

バックアップがあっても、何も解決しない

二重脅迫下では:

  • バックアップから復元 → 業務は再開できる ✓
  • しかし、盗まれた情報は既に流出している → 顧客情報・取引先情報・財務情報が全部ダークウェブに晒される
  • 顧客から訴訟される → 集団訴訟のリスク(タイムズ事件のように)
  • 信用失墜 → 売上激減
  • 取引先からの契約解除

結果: バックアップ復旧 ≠ 事件解決

身代金を払えば解決するのか

払っても解決しない:

理由1: データが戻る保証がない

払った後、暗号化は解いてくれるかもしれない。しかし、盗まれたデータが本当に削除された保証はない。「払わなければもう1回公開するぞ」と再脅迫されるケースが多数ある。

理由2: “払う会社” リストに載る

身代金を払った会社は、ダークウェブで「払う会社リスト」に載る。再度狙われる確率が格段に上がる。

理由3: 法的リスク

日本では身代金支払いが即違法ではないが、相手が国際制裁対象のグループだった場合、企業幹部が罪に問われる可能性がある。

対策の本質: 侵入させない

結局、唯一の確実な対策は “そもそも侵入させない” しかない。

  • バックアップ: 事後の “復旧用” にすぎず、“防御” ではない
  • EDR: 侵入後の “異常検知” が主で、“侵入阻止” ではない
  • サイバー保険: “損害の金銭的補填” で、“事件を防ぐ” ものではない

侵入を防ぐこと ── これだけが、二重脅迫時代の本質的対策だ。

ANCHOR Defense は、まさに “侵入をさせない” 設計:

  • 偵察段階のアクセスを1発で永久遮断
  • 2度目を許さない
  • 本番攻撃まで到達させない

→ 攻撃の仕組みをもっと知りたい方は サイバー攻撃を知る へ。


バックアップは、必要だ。しかし、“頼りすぎてはいけない”。 バックアップは、“もしも” の時の最後の砦。日々の防御は、別のレイヤーで組む必要がある。